顔の描き方7つのポイント,デッサン,How to draw a face, 7 points, Drawing a person

顔を写実的に描く上で押さえるべきポイントを紹介します。頭蓋骨の形から考えることで、どこがどういう形になるべきなのか、その観察のポイントも知ることができます。

ただ外から見て描くだけではなく、知識も使って観察の幅を増やしていきましょう。

顔を描くときに押さえるべき基本のポイントは7つあります。1つずつ紹介していきます。

1.口元

口元は下の図の青線のようにアーチをえがいています。

このようにアーチをえがいた骨の上に、口の筋肉や脂肪、皮膚がつきます。そのため、口、唇もアーチをえがいたような形になります。

これを見落として、唇の細かい形ばかりをおって、大きなアーチをぺったんこに描いてしまう初心者は多いです。唇の凹凸のような細かい要素の前に、まず骨格を意識した大きな形、構造を描きましょう。

2.あご

あごの先端の隆起を「おとがい隆起」と言います。下の図の青線の隆起です。

このおとがい隆起を無視して、ほっぺたから顎先にかけてシュッと輪郭線をまっすぐに描いてしまう人がいます。そうすると、頭蓋骨の形を無視したリアリティのないデッサンになってしまいます。

あごを描く際は、必ずおとがい隆起を意識するようにしてください。それだけでもリアリティが増し、デッサンに説得力が出てきます。

3.眉骨

眉骨は眼球が入るところの周りにあり、隆起しています。下の図の青線の部分です。

多くの場合眉頭、眉尻がこの隆起に相当します。ただ例外として、眉毛の形を整えたりして本来の眉毛の生え際に眉毛がない方もいるので、安直に眉毛は眉骨だと決めつけるのは危険です。あくまでも形の隆起を観察しましょう。

また、眉骨は左右で大きなアーチをえがいています。口元のアーチと同じく、頭蓋骨の大きなアーチによるものです。目の周りは細かい骨の凸凹が多いですが、それに惑わされずに、大きなアーチも意識しましょう。下の図の青線を参考にしてください。

4.額

額は角度がぐっと変わるポイントがあります。下の図の3つの青い点の部分からです。

青い点をから上、髪の生え際あたりに相当する部分から、ぐっと奥に角度が変わります。これは男性が顕著で、女性の場合は目立たない人も多いです。

また、上方向だけではなく、下の図の赤丸のポイントからは横方向も角度がぐっと変わります。ここもよく観察してください。

5.頬骨

頭蓋骨を見ると、頬骨の前後は凹んでいます。そのため、頬の中では頬骨が一番目立つ形です。

顔を描くとき、この頬骨のところにハイライトが来たり、ここの部分だけ明部になることがよくあります。脂肪の凹凸ではなく骨なので、位置がずれるとかなり不自然に感じます。頭蓋骨をイメージしながら位置をしっかり合わせましょう。

また額と同じように、頬骨も途中で横方向に角度がぐっと変わります。

6.あごの骨

下顎のラインも注意が必要です。えらからおとがい隆起にかけて、少しアーチがかかります。少し窪んだようになるので、まっすぐにあごのラインを引かないように気をつけてください。

7.鼻

鼻を見るときのポイントはたくさんありますが、基本的なところで抑えて欲しいのは、小鼻と鼻の側面の面の角度の変化です。

鼻の骨はたくさんの軟骨からできているので、形が複雑です。その骨の変わり目は特に形が変化しやすいです。

上の図の青線で囲まれた面は角度が変わります。結構ぐっと変わるので、よく観察してください。

まとめ

顔を描くときのポイントを7つあげましたが、全てに共通するのは頭蓋骨の形をイメージしているところです。

唇や眉毛や鼻の穴、まぶたなど、細かい凹凸にとらわれがちな顔ですが、そういった細かい凹凸だけを追っても顔のリアリティは出ません。まずは頭蓋骨の大きな形、構造をイメージし、その上に各パーツを置いていくイメージで観察、描写します。それだけでデッサンの説得力がかなり増します。