私たちは普段、視覚以外の感覚、身体感覚すべてを使って対象を感じています。
温度、音、匂い・・・そんな対象のリアリティを表現するためには、視覚以外の身体感覚も使って対象を観察する必要があります。
このテキストでは身体感覚を使ってジェスチャーを観察できるようになるために、モデルに同調・共感する練習をします。
具体的には、モデルの次のポーズ(ジェスチャー)を想像し、それを描きます。モデルの次の動きを想像するには同調や共感が必要になってくるので、それらを行うことで次のポーズ(ジェスチャー)を想像します。
1. 練習の内容
・制限時間:30分(1ポーズ1分を30回繰り返す)
・目的:モデルに同調し、五感でジェスチャーを感じる
・行動:モデルの次のポーズ(ジェスチャー)を予想して描く
テキスト「体を使って観察するのがデッサン上達のコツ」を読んでからこの練習を行ってください。
1-2. モチーフの準備
街中や職場、校内にいる人の中で、立ち止まっている人や座っている人など、動き回っていない人物をモデルに選びます。
1-3. 手順1
まず、モデルに選んだ人物のジェスチャーを観察します。
まずは、そのモデルにあなたが同調・共感しましょう。重心や呼吸、体のどこに力が入っているかを、モデルを見て感じ取ります。
1-4. 手順2
今、あなたはモデルに同調しています。それでは、想像してください。あなたは次に、どのようなポーズ(ジェスチャー)を取りますか?
そして、あなたが想像したポーズ(ジェスチャー)を1分以内に描いてください。
1-5. 手順3
モデルを変え、手順1と2を繰り返します。
2. 予想したポーズ(ジェスチャー)は合わない
あなたが想像して描いたポーズ(ジェスチャー)は、実際にモデルが次に行うポーズ(ジェスチャー)と一致することはほとんどないと思いますが、それで問題ありません。
なぜなら、この課題で大切なのは、モデルに同調・共感することで、視覚以外の五感も使ってモデルのジェスチャーを感じ取れるようになることだからです。
参考と脚注
※1
パブロ・ピカソ(スペイン:Pablo Picasso)
1881─1973