DESSIN LABORATORY デッサンがうまくなるための練習法と観察のコツ
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授業内容とメリットから美大に入るかを決める

絵具と木炭のイメージ

美大(美術大学)に行きたかった。時々、そういう声を耳にします。そして中には、美大を卒業していないことに対してコンプレックスを抱いている人がいるようです。美大で授業を受ければ才能が開花していたのではないか、あるいは、自分には才能がなかったから美大には入れなかったのではないか。ひょっとするとそんなことを考えているのかもしれません。

私の結論は、「美大は行っても行かなくてもよい」です。

あなたは美大に行ったほうがよいと考えていますか? あなたがその答えを出すのを助けるために、私が大学で習ったこと、美大に行ってよかったと思うこと、就職事情などを紹介します。

もくじ
▪  1. 卒業生の進路事情
▪  2. 授業の内容
 ▪  2-1. デッサン
 ▪  2-2. 専門的な技法
 ▪  2-3. 合評会
 ▪  2-4. 外部講師による特別実習
 ▪  2-5. その他の座学
▪  3. 美大に行ってよかったこと
▪  4. まとめ

1. 卒業生の進路事情

私がいた大学では、ファインアート(純粋芸術)の専攻は日本画、油画、彫刻があります。もし、あなたが就職を条件に美大を選ぼうとしているなら、これらの専攻は役にたちません。そもそも、カリキュラムが就職を前提にしていないからです。これらの専攻は、学生が芸術家を目指すことを想定しています。

私が卒業する時、私と同期で油画専攻の人は24人いましたが、内定が決まっていたのはたったの1人でした。その人はデザイナーとして就職しています。私を含め、当然のように就職活動をしていない人もいました。

もし、あなたが就職を目指しているなら、デザイン科を選びましょう。デザイン科の授業は、デザイナーを養成するためのカリキュラムになっているからです。デザイナーは日本で一般的な職種ですから、就職先があります。

芸術学専攻の卒業生は、学芸員や教員になるケースがあります。また、工芸専攻の卒業生の中には、職人として就職する人と、作家を目指す人などがいました。

また、どの専攻にせよ、教師として生計を立てる人がちらほらいます。特別支援学校などに勤めているようです。「教師という仕事が絶対に嫌」という人でなければ、保険をかけて在学中に教職員の免許を取っておくのもよいでしょう。

他には、とりあえず無職で実家に戻ったり、パートやアルバイトをしながら制作を続けたりする人がいます。

2. 授業の内容

私が受けた授業の内容を、ざっくり紹介します。ただし、紹介する内容は数ある美大の中のひとつ、さらにその中のひとつの専攻のものに過ぎません。大学や専攻が変われば授業内容は変化します。

2-1. デッサン

裸婦や石膏像をデッサンします。裸婦モデルが教室にいるのは、休憩時間も含めて1日3時間です。裸婦は多くの課題のモデルとして活躍します。

石膏デッサンでは、上半身だけ、または全身の石膏像を描きます。数メートルもある像を描くこともありました。それを描けるのは美大だからこそです。

2-2. 専門的な技法

油画制作、キアロスクーロ(イタリア語で、明-暗。明暗で画面内の調子を大胆に統一させる技法)、グリザイユ(モノクロームで描く技法)、カマイユ(単色で描く技法)、フレスコ(漆喰の壁に描く技法)、銅版画、絵画組成(絵具の組成に関する知識)、色彩構成など。

2-3. 合評会

授業以外の時間、自分の自由時間を使って制作した作品を、教授・講師に見せます。そこでは主にダメ出しとアドバイスをいただきます。

これは、作品サイズの指定はあるものの、ほぼ自由制作です。一辺が160cmもあるサイズを制作する人もいました。

2-4. 外部講師による特別実習

芸術家として実際に活動している方を講師に招き、講義や実習を行います。課題の内容は人によってそれぞれで、各講師が重要だと考える描き方や姿勢を盛り込んだものになっています。

2-5. その他の座学

西洋美術史、心理学、哲学、図学、音楽、文学、体育など、選択性で授業を受けることができます。

3. 美大に行ってよかったこと

上述した授業内容を見ると、「美大生はこんな専門的なことを習うんだ!」と思ったかもしれません。しかし、ほとんどの授業は体験で終わります。授業時間が限られているためです。授業で興味を持った技法や知識については、自分の時間を使って研究を深めます。

ということは、美大に行かずに自分で本を読んで学び、実践することと美大で研究することは大差がありません。私がこのサイトで紹介していることの多くも、実は大学を卒業してから独学で学んだことです。

では、美大に入るメリットは何でしょうか? 私が個人的に、「美大に行ってよかった」と思ったことは3つです。

ひとつは、絵を描くことにストイックな人と出会えたことです。私がアヤメ(デッサン・ラボラトリーで個別レッスンの講師を担当)と出会えたのも、美大に入ったおかげです。彼女はとてもストイックで、私たちは絵についてよく意見交換をします。

絵は、最終的に独学で掘り下げていきますが、意見を言い合える仲間がいた方が、制作によい刺激を与えます。その刺激や仲間にもらったアドバイスが、そのまま作品のアイデアになることもあるからです。

もう一つは、いろいろな人の描き方や作品を実際に見れたことです。これは面白い体験でした。中には、「え?そんな風に描くの?」と思う描き方をする人がいます。言葉で説明しにくい実制作は、目で見た方がよくわかります。

しかし、これら2つは美大以外の場所、例えば絵画教室などでもできることです。

最後の1つは、自分にある程度自信がついたことです。レベルの高い美大に入ろうと思うと、画塾などで何百枚と絵を描く必要があります。そして、実際に難関大学に合格できたことで、自分の画力に自信を持てるようになりました。

4. まとめ

美大に行ったからといって将来の保証はありません。デザイン科以外は就職のための通り道にすらなりません。授業内容も体験程度で終わります。また、メリットもあくまで個人的なものです。誰にでも当てはまるわけではありません。どちらかといえば、美大入るための修練から得るものの方が大きいです。

それでも「美大に入りたい」と思うなら、美大を目指すしかありません。その時は、上のランクの美大を目指すことをオススメします。その方がたくさん修練を積むので、画力がつきます。

「美術系の専門職に就きたい!」と考えている方は、デザイン科を受験するのが妥当です。

もし、「専門的な技術を少し教わるだけなら、美大の授業料は高すぎる」と思うなら、美大に行く必要はないでしょう。腕のある講師がいる絵画教室に通う方が、専門的な技術を丁寧に教えてくれる可能性があります。

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