構図に対する感覚を豊かにしていくためには、実際によいとされている構図にたくさん触れることです。
これは、味の違いがわかるようになるためには、美味しいものをたくさん食べる必要があるのと同じです。
このテキストでは、巨匠の絵画を使って巨匠の構図のセンスを経験的に、感覚的に学ぶことによって徐々にものにしていくための練習方法を紹介します。
1. 練習の内容
- 制限時間:15分
- 目的:巨匠の構図のセンスをものにする
- 行動:巨匠の画集を速読するように見ていく
1-1. 画材の準備
この練習では使いません。
1-2. モチーフの準備
巨匠と言われている人の画集。カラー、白黒、どちらでも構いません。
画集は大きい方が好ましいです。文庫サイズは小さすぎるため、この練習には向きません。
構図の参考に適している巨匠は以下の人たちです。
- ピーテル・パウル・ルーベンス(フランドル:Peter Paul Rubens)1577─1640
- アンリ・マティス(フランス:Henri Matisse)1869─1954
- ティントレット(イタリア:Tintoretto)1518─1594
- エドガー・ドガ(フランス:Edgar Degas)1834─1917
- ジョット・ディ・ボンドーネ(イタリア:Giotto di Bondone)c.1267─1337
- オノレ・ドーミエ(フランス:Honoré-Victorin Daumier)1808─1879
- エル・グレコ(ギリシャ:El Greco)1541─1614
- ジャン・ルイ・フォラン(フランス:Jean-Louis Forain)1852─1931
- フィンセント・ファン・ゴッホ(オランダ:Vincent Willem van Gogh)1853─1890
- 葛飾北斎(日本:かつしか ほくさい)1760─1849
もちろん、構図が参考になるのは彼らだけではありません。好きでたまらない巨匠がいたら、その人の画集を使ってください。
1-3. 手順1
画集に載っている絵を、前から順番に見ていきます。
1枚の絵を見る時間は3秒前後です。絵を見ている際に、特に何かを分析する必要はありません。また、構図以外のことに気を取られないようにするために、たったの3秒にしています。
画集の最後の絵まで見終えたら、また最初から画集の絵を順に見ていきます。
15分間、これを続けてください。
2. まとめ
同じ巨匠の画集を何度も使ったり、別の巨匠の画集を使ったりして、この練習を何度も何度も行ってください。
あまり堅く考えずに、「よいとされているものを意識的に見る」という感じで行うのがコツです。
あなたが画集をあまり買えない場合は、図書館に行って画集を片っ端から見ていくといいでしょう。