「構図がいい」「構図が悪い」というのはデッサンでよく使われる言葉です。あなたも、これらを言われたり聞いたりしたことがあるのではないでしょうか?
いいデッサンをするために構図を考えることは不可欠です。なぜなら、デッサンでは必ず画面という枠があり、それが構図を強制的に発生させるからです。
また、よい構図とは、簡単に言ってしまえば「あなたが伝えたいことが最も端的に伝えられる構図」のことです。
なぜなら、視覚的に美しい構図であっても、あなたが描きたいもの、表現したいものを伝えられない構図なら、鑑賞者にそれが届かないからです。
美術、デッサンで言う構図とは?
構図はデッサン技術の中でも特に曖昧で不確定なものです。
構図は、写真分野ではどう切り取るかに焦点が当てられることが多いです。美術分野では、それに加えて、画面の中のどこに、どのように、対象、タッチ、色、などがあるのか、というところまでを含めて構図と考えます。
構図というのはデッサンに必ずついて回ります。なぜなら、デッサンにはその画面の中と画面の外を区切る境界線が必ず存在するからです。
その境界線がフレームとなり、構図を発生させます。そのため、デッサンをする上で構図を考えることは避けて通れないと考えてください。
石膏デッサンにおけるよい構図
構図はこういう時にはこうする、という明確なルールがありません。しかし、美大受験で石膏像を描く際は、よい構図というのはだいたい決まっています。
なぜなら、美大受験で描く石膏デッサンは、画面のサイズ、石膏像という対象、総合的なデッサン力をアピールするという目的、これらが共通しているため、それを端的に表す構図も自ずと決まってくるからです。
仮に、それらのうちひとつでも条件が変化すれば、よい構図も変化します。
ちなみに、この石膏デッサンでのよい構図とは、「画面内に石膏像をなるべく大きく、はみ出すぐらいに入れる」「石膏像の立体・形を示すために、石膏像の端を切り取りすぎない」の2つを満たす構図です。
構図の要はテーマ(画題)
あなたが構図を考える上で最も大切な要素は、「何を描くのか」「何を表現したいのか」というテーマ(画題)です。
なぜなら、あなたが描きたいもの、表現したいものを伝えられない構図を選んだら、鑑賞者にあなたの意図が伝わらないからです。仮にその構図がどれだけビジュアルとして美しくても、伝えたいことが伝わらないのでは意味がありません。
そのため、あなたは構図に対していろいろな理論と技術を知り、その中からあなたのテーマを最も端的に伝えるものを選ばなくてはいけません。
つまり、あなたが伝えたいことが最も端的に伝えられる構図、これがよい構図なのです。
テーマを構図で表現するには
では、どのようにしてあなたのテーマを構図に反映させればいいのでしょうか?
それを実現するためには以下のことを行い、それらを掛け合わせることで、あなたのテーマが伝わる構図を考えます。
・構図に関する理論、知識を知る
・巨匠の作品やポスターを分析して大まかな型を持つ
・構図に対する美的感性を磨く
これらについての細かい内容はカテゴリー「構図(composition) 基本的な考え方と練習」にあるテキストを読んで確認してください。
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参考と脚注
※1
エドガー(エドガール)・ドガ(フランス:Edgar Degas)
1834─1917