DESSIN LABORATORY デッサンがうまくなるための練習法と観察のコツ
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手数を減らしてさらにデッサンを上達させる

あなたのデッサンが「手数は多いのにうまくない」「とにかく手は動くが周りから抜きん出れない」という状態であれば、手数を減らして表現する方法を考えてみてください。

いいデッサンをしたかったら、無闇に描きこまないことです。狙いを絞って端的に、必要なことだけをしっかり描きます。

ただし、これはある程度デッサンが描けるようになってきた人に有効な考えで、全くの初心者には当てはまりません。

もくじ
▪  経験が少ない人は手数を減らさない
▪  手数を減らして無駄を発見する
▪  省略するとリアリティが増す
▪  最低限の手数で美しく見える画材

経験が少ない人は手数を減らさない

もし、あなたが「デッサンを始めて間もない」「あまり手数が入らない」状態であれば、まずは手を動かすこと、泥臭くてもいいからとにかく描くことを行ってください。それをせずに手数を減らすとかえって伸びが遅くなるかもしれません。

特に、画材の扱いはある程度の失敗経験が必要です。

例えば、描き込みすぎる経験をすることによって、これ以上描きこむと画材の色が汚なくなる、ということがわかります。その限界点がわかると、その範囲めいっぱいを使って豊かな表現ができます。

手数を減らして無駄を発見する

ここからは、ある程度デッサンをしてきたあなたが手数を減らすメリットについてお話しします。

誰でも、無数の線と色を使えば、力技でそれなりのデッサンを仕上げることができます。しかし、それでは周りの人より頭一つ抜きん出ることはできないでしょう。

一流選手の動きには無駄が少ないように、デッサンでも無駄な手数が少ない方が洗練されたものになります。

また、描き込む手数を減らすと、一筆一筆が的確か、無駄がないかが明らかになります。

例えば、線の本数を20本に制限された時、あなたは描いているモチーフのもっとも重要な輪郭線、稜線をきちんと選べるでしょうか? また、色数を5色に制限された時、立体感が出るように色を配色できるでしょうか?

このように手数を減らすことで、自分は何を知らないのか、理解していないのかがわかります。そうすると、自分に必要な技術がわかり、それに焦点を当てて鍛えることができます。

ピカソのデッサン

Fig.1 ピカソ※1のデッサン

ワイエスの水彩画

Fig.2 ワイエス※2の水彩画

省略するとリアリティが増す

手数を減らすと、よく描きこんだときよりもかえってリアリティと感じる、ということがあります。

これは、人は省略された部分をイメージで補う能力を持っているためです。映画でいきなりカメラアングルが変わったり、静止画をつないだ漫画を見てもストーリーを感じたりするのは、イメージでその間を補完しているからです。

ただし、この場合の手数を減らすというのは適切に省略する、つまり、自然のルールや、人がどうものを見ているかという心理に従っていて、不自然に見えない省略をしているという意味です。

Fig.1と2は少ない手数で対象を見事に表現している例です。

最低限の手数で美しく見える画材

また、画材によっては、筆数が少ない方がその描画材の美しさが際立つものもあります。透明水彩絵の具や木炭、水墨がその例です。

特に透明水彩絵の具は色を重ねすぎると濁ってしまうため、重ね塗りをしすぎると、絵の具の持つ美しい発色が失われてしまいます。

これらの描画材を使う場合は、最低限の手数で描く方が美しいデッサンになります。

参考と脚注

※1
パブロ・ピカソ(スペイン:Pablo Picasso
1881─1973
※2
アンドリュー・ワイエス(アメリカ:Andrew Wyeth
1917─2009

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