デッサンに使う画用木炭の準備と手順|芯抜き

伊研の画用木炭

画用木炭は木炭の中にある芯を抜いて描くのが一般的です。中の芯は支持体に定着しにくいためです。

画用木炭によっては芯がないものもあります。そのような画用木炭はそのまま使います。

準備するもの

  • 木炭用芯抜き|画材屋で購入できます。片側にブラシがついています。
  • カッターナイフ |歯に粉がつくので描画材専用のものを一つ準備します。
  • 紙ヤスリ|荒目と細目の2種類準備します。
  • ゴミ袋、トレイ、チラシなど|炭が飛び散るのでそれを受けるものです。

芯を抜いて先端を尖らせる手順

1|木炭に銀紙などが巻き付いている場合は邪魔になるので剥がします。芯の部分はすべて粉になって出てくるので、トレイなど粉を受けるものを作業する所の下に置きます。

2|芯抜きを木炭の中に入れます。木炭の芯の部分だけわずかに色が違うので、それを目印にしてください。 ブラシが付いていない方から、芯を押し出すように芯抜きを入れていきます。

3|芯抜きが木炭の反対から出てきたら、芯抜きを数回、押したり引いたりして芯を削ります。そのあと、芯抜きを入れた方と逆から、芯抜きを引き抜きます。このときに、木炭の中に残った芯の残りをブラシが取り除いてくれます。

※ブラシが通らないほど木炭が細い場合は、ワイヤーの部分で数回押したり引いたりするだけに止めておきます。

4|芯があった部分に勢いよく息を吹きかけ、木炭の中に残った粉を外に出します。間違って吸わないように注意してください。

5|木炭の先端を竹ペンのような形に尖らせます。尖らせる長さは3cm~5cmになるようにします。先端をカッターナイフか粗い紙やすりで大まかに削った後、細目の紙ヤスリで綺麗に整えます。木炭は柔らかいため、力を入れすぎて折ったりしないように気をつけながら削ってください。

6|削り終わったら木炭の中にもう一度勢いよく息を吹きかけ、粉を出します。これをしておかないと、描画中に木炭の中から粉が出て画面にかかる恐れがあります。

基本的な使い方

描く際は削った部分のエッジを使います。エッジではなく、削った面をぴったり画面につけて描くと、その削った面が完全な平らではないためにむらが発生してしまいます。

木炭は親指の末節部(図のa)と人差し指の末節部(図のb)の2点で持って描きます。加えて、木炭がぐらつかないようにするために、中指の末節部(図のc)や薬指の末節部(図のd)、母指球(図のe)などで補助的に支えることもあります。

基本的には鉛筆を持ってデッサンするときと同じ持ち方です。

エッジが長ければ長いほど、太い線を引くことができ、色むらもできにくくなります。木炭を細い線で重ねると、色むらができやすく、美しい色が出にくい傾向があります。幅広いエッジでザッザッと色をつけていきましょう。

木炭はソフトに扱ってください。木炭は折れやすく、一度支持体に定着すると完全に取り除くのは難しい画材です。優しいタッチ、筆圧で描画します。

また、木炭に節が残っていたらカッターナイフで取り除きましょう。節が画面に当たるとそこに傷ができて粒子が入り込み、黒くなってしまいます。