DESSIN LABORATORY デッサンがうまくなるための練習法と観察のコツ
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デッサンで使う画用木炭用の消し具と使い方

アグリッパの石膏デッサンの部分拡大写真

画用木炭に使う消し具は、練り消しゴムの他にもいくつかあります。

これらは木炭で幅広いマチエールを作るのために必須の道具です。特に手とガーゼは私が木炭デッサンでもっともよく使う消し具です。

もくじ
▪  消し具の種類
▪  消し具の使い方|ガーゼ
▪  消し具の使い方|食パン
▪  消し具の使い方|擦筆
▪  消し具の使い方|手
▪  消し具を使うタイミングと注意点

木炭デッサンで使う食パンとガーゼとさっ筆と消しゴムの写真

消し具の種類

・ガーゼ|大きめのものを折りたたんで使います。
・擦筆(さっぴつ)|パルプでできた棒状の画材です。
・自分の手|指の腹や手のひらを使います。
・食パン|乾燥しきったもの、油分が多いものは画面を汚すので不可。
・練り消しゴム

> デッサン用の練り消しゴムの使い方とメリット

画用木炭の消し具の種類は鉛筆に比べると豊富です。これらは木炭の粒子を取り除くというより、粒子の状態と支持体への定着の程度を変化させるための道具として使います。

例えばガーゼで木炭の粒子を紙に刷り込んだり、手で粒子を押し、紙の凹凸に適度に定着させたりという使い方をします。

それぞれの消し具ならではのマチエールがあり、これらを効果的に使うことによって木炭の色や質感の幅を広げ、様々な表現を生み出すことができます。

また、木炭の粒子のいくらかは、紙に乗せたままだと息を吹きかけるだけで取れてしまいます。これは木炭の粒子に紙に定着させるための成分が含まれていないためです。粒子を紙に刷り込ませて画面に定着させるのも、様々なマチエールを作るのと同じく、消し具の役割となります。

木炭をガーゼで擦ってできたマチエール

ガーゼで擦ったマチエール

消し具の使い方|ガーゼ

海外ではセーム革などが使われているようです。日本ではセーム革よりもガーゼを使う人の方が多いです。どちらも、紙に粒子を均一に擦り込むために使います。

ガーゼは100均に売っている医療用のガーゼなどを使います。1枚だと木炭の粒子を取り込みづらいので、少し大きめのものを八つ折り程度に重ねて使います。

ガーゼは木炭を支持体に乗せた後、さっと優しくその上の粒子を撫でたり、指に巻きつけて紙に擦り付けたりして使います。

ガーゼによって刷り込まれた木炭の粒子はキメが細かく、均一です。調子は自然とぼやけたようになります。一度ガーゼで擦り込むと、その木炭の粒子を取るのは難しいので、計画的に使います。

木炭を食パンで擦ってできたマチエール

食パンで軽く擦ったマチエール

消し具の使い方|食パン

食パンを消し具として積極的に使う理由はよくわかりません。油染みができるリスクがあるだけでなく、使ったあとも色むらになりやすいためです。消しゴムができる以前は食パンが代わりに使われていたため、その名残なのかもしれません。

食パンを使うメリットに「制作中につまみ食いできる」という方がいます。私はこの意見に大賛成です。食パンは消し具にするより食べた方がよいです。

もし食パンを消す具として使いたいなら、耳以外の白くて柔らかい部分を使います。乾燥しすぎたものは紙を傷つけるので使いません。傷に木炭の粒子が入り込むと、黒く鋭い線となってしまいます。しっとり感が残っている、柔らかい状態のものを使いましょう。

乾燥するのを防ぐために、デッサン中はビニール袋に入れておき、使う時に使う分だけ取り出します。

食パンはちぎってそのまま使うこともあれば、指で練ってから使うこともあります。前者の場合はガーゼと同じくさっと優しく粒子を撫でたり、やや力を入れて擦ったりして使います。 後者の場合はやや練り消しゴムに近い使い方をします。

食パンに油分が多いと紙に油染みができ、その部分だけ粒子がしっかり定着してしまい調子がコントロールできなくなります。そのため、バターなどが多く含まれた油分の多い食パンの使用は避けてください。安価なパンの方が木炭デッサンには都合がよいです。

さっ筆の写真

消し具の使い方|擦筆

擦筆(さっぴつ)とは紙などを原料とした、尖った鉛筆の形状をした画材です。その名の通り、描画材の粒子を支持体に擦り付けて粒子の状態を変化させます。

先端が尖っているので、ガーゼでは難しいような細かい部分の作業に向いており、擦った部分の縁がぼやける範囲も小さくてすみます。仕上げの段階で必要になってきます。最後の仕上げ以外ではほとんど使いません。

マチエールの結果はガーゼに近いです。

木炭を指でスタンピングしてできたマチエール

指で押さえたマチエール

消し具の使い方|手

手でも木炭の粒子を取り除いたり、紙に定着させたりします。基本は指の腹を使いますが、広範囲の粒子を一気に取り除きたい場合は母指球 (手のひらの親指側)や小指球(手のひらの小指側)を使います。

軽く手を画面につけることで粒子を取ったり、強めに押しつけることで粒子を紙に少し刷り込んだりして、粒子の状態を変化させます。

手の場合はガーゼほど粒子が支持体に刷り込まれず、木炭を乗せただけの粒子とガーゼで刷り込んだ状態の中間を作ることができます。押さえ方次第で定着の度合いをコントロールすることができます。ただ、ガーゼに比べて色むらができやすいです。

消し具を使うタイミングと注意点

木炭デッサンの場合、消し具を使うのは中盤以降のことがほとんどです。これは一度消し具を使って木炭の粒子を支持体に定着させると、そのあとの修正が難しくなるためです。

もし、粒子を乗せすぎたので取り除きたい場合は、デコピンをするように指で紙を弾きます。こうすると粒子が紙から浮き、下へ落ちていきます。

この時、重要な描画になる部分を避けます。画面に傷がつく恐れがあるためです。背景に相当する部分など、主要ではない描画の部分を弾きます。

また、いずれの消し具も、消し具自体に木炭の粒子がついたままだとうまく粒子の量をコントロールできません。面倒でも粒子はこまめに払い落とすなどして消し具から取り除いておきましょう。

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